EPICA

Duo DANKとしての活動を始めて早4年。チューリッヒでDianaと出会い、いろんな曲を試して、コンクールにも挑戦して、コンサートもして…。本当に「挑戦する」ことに楽しさと面白さを共有できるパートナーに出会えてこんなにも嬉しいことはありません。 今回のプロジェクトは、ニコライ・メットナー作曲ヴァイオリンソナタ第三番「エピカ」に挑戦します。(曲については後日またじっくり調べてから書こうと思います。)この曲、なんと…45分以上かかります。クラリネット奏者としては、かなり未知の世界です。体力・集中力、持つんだろうか?リードは果たして無事なんだろうか…。 クラリネットが入っている曲で、もちろん45分くらいの曲もありますが、ソナタで、休みがほとんどないっていうのは見たことがありません…。それでも、この曲に挑戦したかった理由は… この曲に惚れてしまいました。 本当にかっこいいし、面白い。吹けば吹くほど難しいし、ピアノとの掛け合いが楽しくなってきます。 この曲、最初に提案されたときは、「いやー…無理でしょう…」ってはっきり言って思いました。でも、とりあえずやってみようと楽譜をいざ読み始めると、一気に虜になりました。譜読み自体に数カ月かかり、こんなに時間がかかった譜読みははっきり言って初めてでした。それでも、最後まで粘って、やっと演奏会を企画して、お披露目まであと1か月半です。 ただ、まだ演奏会への期待よりも不安のほうが強いというのが正直な気持ちです。 あと1ヵ月半、できるだけのことをして、この大きな挑戦を大いに楽しみたいと思います。 まずはバーゼル。どうぞよろしくお願いします。 杏里

コープランド / クラリネットソナタ

10月2日、Duo DANKで演奏する曲の一つ、コープランド作曲のクラリネットソナタ。これはもともとヴァイオリンソナタで、コープランドの友人であるHarry H.Dunham中尉に献呈されています。Ruth Posseltと作曲家によって1944年1月17日にニューヨークで初演されました。クラリネットのための編曲はTimothy Paradiseの推薦によってコープランド自身が行いました。その際、クラリネットパートはそのTimothy ParadiseとMichael Websterの二人で編曲されたそうです。このクラリネットとピアノのためのソナタ版は1986年3月10日にクラリネットパートを作った一人であるMichael WebsterとピアニストBarry Synderで初演されました。編曲に際し、作品全体がクラリネットの低音域であるシャリュモー音域が使えるように長三度移調されていますが、それ以外の変更はほとんどありません。 コープランドは作品にこのようなコメントを残しています。 「作品全体を通して、ピアノは意図的に控えめに書き、そしてその直線性はソロパートのメロディックな性質を補完しています。3つの楽章から構成され、2楽章と3楽章は続けて演奏されます。第1楽章は優しい歌の部分とより速いテンポの部分との間で雰囲気が交互に変わっていきます。緩徐楽章である第2楽章は輪郭がむき出しで、詩的な性質を持ちます。和声的には非常に平坦でホワイトノートと言えるかもしれない。最終楽章は活発でリズムは複雑で、軽く溌溂としたモチーフとより深い音調の部分とが組み合わさっています。そして第一楽章、オープニングのテーマが戻ってきてこのソナタは終わります。」 10月2日の演奏会は再びアメリカンプログラムに挑戦です!このコープランドのソナタをはじめ、クラリネットのレパートリーでは定番のバーンシュタイン、その他この演奏会に合わせてピアニストのDiana Kislovskajaが編曲してくれた曲も演奏します。昨年のマスタープロジェクトに続きアメリカン。今回はそれに合わせて、たくさんジャズを聴いています。今週金曜日が楽しみです。