お久しぶりにブログを更新。
Edi、細川俊夫作曲のクラリネット独奏曲です。
Ediとは誰のことか?
スイス人で主にドイツで活動していたクラリネット奏者、
Eduard Brunner氏のことです。
私が彼に初めて会ったのは、フライブルク音楽大学に在籍していたころ、休職中だったJörg Widmann氏の代わりで1ゼメスターだけレッスンをしていました。
私はWidmann先生の門下ではなかったので、直接レッスンを受けたことはなく、少し聴講と、確か…Probespielの練習みたいなので聞いてもらったこともあったのかな…?
その時に、このEdiの楽譜のコピーをいただきました。
「日本人の友だちが書いてくれたんだ。演奏してみてね。」
そんな風に言いながら渡してくれた記憶があります。
その時は、初めて歌いながら音を出す練習を一生懸命してみましたが、できず…断念。
その後…
リューベックで開催された彼の室内楽のマスタークラスを受けに行きました。
その時、彼に「音出し」について質問をしました。
当時、自分が自分に合った音出しを探していて、いろんな人に聞きまくっていたのですが…彼の音出しはよく覚えています(笑)
楽譜の裏に、簡単な楽譜を書いてくれたのですが、ロングトーン+レギスター+強弱を組み合わせた、いわゆる「誰もができるもの」。
ただ、ワンフレーズがめっちゃ長い!!
そして、吹いてもくれました…。
めっちゃ息が長いのですよ。
当時何歳やろう…。
私も吹いてみましたが、全然足元にも及ばず…
「君、若いんだから、このくらいトレーニングして!!」
と笑われました(笑)
私、今でもこの音出しと格闘中です。
あの時のBrunner氏より、まだまだ息が続きませんが…。
その時、本当によく覚えているのが…
息が長かったことと、
クレシェンドとデクレシェンドがものすごくパワフルで、
でもそれでもものすごく滑らかで、
音程も変わらない。
すごくそれに驚いたことと、感動したことを覚えています。
今、Duo DANKの演奏会で、
Ediをします。
この曲を練習していて思う。
この曲は本当に彼のための作品だな、と。
こんなにもダイナミクスと音の関係が密接に作られている曲は、
私はあまり知らない。
私はまだまだあの「音出し」と格闘中の身。
どれだけこの曲の良さを引き出せるかはわからないけれど…
あの時の思い出と共に、練習中でございます。
あのマスタークラスの時、
その半年後に開催されるマスタークラスにもおいでと誘ってくれていたのに、
参加しなかったことを未だ悔やんでいます。
もっといろんなことを学びたかった。
2013年リューベックにて。Trio Chenna。